大崎丸善の歩み
昭和8年、初代が見習いの和菓子屋より独立し、魚津市真成寺町で「丸善菓子舗」を創業しました。初代の名前の一文字を用いたこの和菓子屋が、大崎丸善の前身です。
当時は、冷蔵庫のない時代。しかも、戦中は、砂糖などの原料を仕入れることが困難だったため、いくつかの菓子屋が集まり、共同の場所でお菓子づくりに勤しんだと伝え聞いております。
昭和31年には、魚津の大火で店舗が全焼しましたが、再建して真成寺町で営業を再開。現在では絶滅危機にあるといわれる菓子木型ですが、初代が作った菓子木型は無事難を逃れ、今も大切に残しております。
平成8年には、二代目が魚津市吉島に、和菓子専門店として吉島店をオープンします。それに伴って法人化し、屋号を「大崎丸善」と改名しました。
同年、県外の和菓子屋や洋菓子店で修業を積んだ現在の三代目が実家に戻り、二代目とともにお菓子づくりに勤しむ日々を送ります。
オープン当初の吉島店は、閑古鳥状態。そんな吉島店に転機が訪れたのは、一人のお客さんの「イチゴ大福を作ってほしい」というひと言でした。最初は、店にある材料を使い、軽い気持ちで作りましたが、イチゴ大福の想像以上の奥深さから、次第に夢中になっていきます。気付けば、餅も餡も苺も、イチゴ大福専用のものを作るまでに至っていました。
イチゴ大福は、口コミで瞬く間に広まり「大崎丸善」を代表するお菓子となりました。
平成25年には創業80年を迎えた、大崎丸善。
最近は、魚津市のリンゴや富山県産コシヒカリなど、地元の原料を積極的に取り入れています。おいしいお菓子を追求し続ける地元の和菓子屋として、地元の人々に長く愛され続けています。
大崎丸善のこだわり 〜自家製餡〜
最近では、自家製餡を行う菓子屋は、大変少なくなりました。餡づくりは大変手間がかかりますが、餡は和菓子の基本であり、自家製餡は創業より続く大崎丸善の基本であります。
大崎丸善のお菓子づくりは、ほぼ毎日、小豆を炊くことから始まります。
北海道産十勝小豆と岡山産備中小豆、そして地下8mから汲み上げた地下水を使い、おいしい餡になぁれと願いながら、手間暇を惜しまず、愛情込めて炊き上げていきます。
こうして生まれる5種類の粒あん、約10種類のこしあんは、口の中にやわらかい甘さが広がっていくのが特徴です。
甘さが広がりながらも、決して甘ったるくならないよう、てんさい糖とグラニュー糖、そして水分の量で微妙な調整をしています。
些細なことではありますが、細部まで手間暇をかけることこそが、大崎丸善ならではの甘さ、美味しさを生み出しています。
自家製餡をはじめ、その他の原料についても、“おいしくて安全”が、大崎丸善のモットー。
安心して笑顔になれるお菓子をお届けするために、今日もこだわり続けます。